精神病院閉鎖病棟入院体験記

ごく普通のサラリーマンが、閉鎖病棟に入院させられた体験記
隔離病棟に入院していた指がない人

何らかの理由で隔離された指がない人

閉鎖病棟の人々(男性編)にも書いたけど、「おっちゃん」と呼ばれていた男性がいる。

片側の小指が第2関節までなくて、もう片方の小指が第1関節までない。
一方の薬指の第1関節までもなかった。

おっちゃんはとても元気で何の病気かさっぱりわからなかった。本当に精神を病んでいたのだろうか?
もしかして何らかの意図があって隔離されていたのだろうかとすら思った。

管理人が退院する翌日に退院したので、変な理由で病院に入っていたのではないのだろう。

無言の圧力

おっちゃんは優しかった。決して声を荒げるでもなく、ちょっとしたいざゴザもすぐ解決してくれた。それも威圧的な態度をとることなしに。

というのはきれいごとで、小指と薬指の一部がない人に何か言われれば、否応なしにいうことを聞いてしまう。

おっちゃんのおかげで、些細な事から大きなトラブルに発展することが多い隔離病棟も、ちゃんと治安が保たれていた。

買い物依存症

おっちゃんは、買い物依存症のようだった。
双極性障害の症状の一つに「買い物依存」というのがあるがどうも、その気がありそう。
隔離病棟に入院している人は小遣いを強制的に管理されているので、1日に一定額以上のお金は使えないのだが、売店までの外出を許可をもらっては、両手いっぱいにお菓子を買ってきてみんなに振る舞ってた。

管理人は、閉鎖病棟から出る許可をもらえなかったので、売店というものがどこにあるのか隊員まで知らなかったが、品揃えは散々たるものだった。
そんな中でなんでも買っていくおっちゃんは、上客だったに違いない。

駅でお茶を買ってこい事件

管理人に見舞客が来る時、こんな事件があった。

「お見舞いの人来るんだったら、途中で駅によって○○茶を買ってきてもらえんかな」

おっちゃんは自分の知人にお茶を買ってくることをお願いしたのである。
が、駅は病院とは全くの逆方向。
嫌とも言えず、閉鎖病棟内の公衆電話から知人に電話し、
「お茶を買ってきて」
とお願いした。

訝しげな知人には、
「指がない指がない」
と意味不明なことを繰り返したことを今でも覚えている。

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